チンパンジーの知恵袋

中国語を学ぶチンパンジーが面白いと感じたことを綴ります

第11回 「令和」の印象について聞いてみた

 お久しぶりです。四月は年度始まりでバタバタしており更新をサボってしまいました。気付けば平成も終わり、令和時代が始まろうとしています。

 新元号発表は僕もネットでライブ中継を見ていました。菅官房長官も嬉しそうな感じでしたね。個人的には「令和」を初めて聞いた、見た時もあまり違和感はなかったです。その後「令和」の出典について色々と報じられるようになりましたね。 

 中には「令」は「命令」の「令」であり、和に従えと強制させる印象を受ける、という内容の批判もあります。確かに「和せしむ」と解釈できなくもないですね(詳しいことはここでは触れません)。新元号に関しては日本だけでなく海外(特に中国、韓国)からも様々な意見が出ているみたいです。せっかくなので 「令和」について中国の友人に聞いてみました。

  

「令(lìng)」の意味

 まず「令」 の字について。政府が「beautiful harmony」と言っているように「令」には「美しい、清々しい」などの意味があります。中国語においても「令(lìng)」には「美しい」の意味があります。 

 日本語で「令嬢」という尊敬表現があるように、中国語においても他人の息子や親へ敬意を示す表現があると教えてくれました。

 

令尊(lìng zūn) : 相手の父親への尊称

令堂(lìng táng):相手の母親への尊称

令郎(lìng láng):相手の息子への尊称

令爱(lìng ài):相手の娘への尊称

 

 友人から聞いた感じだとそんな頻出表現ではないようですが、使いこなせたらカッコイイですね笑。 

 動詞としての「令(lìng)」には「命令する、命じる」の意味がある他に、「〜させる」と言う用法もあります。この場合は、広く'人'一般を指す'人'を兼語において使います。

  例)这件事情令人深思:この事は(人を)深く考えさせる

動詞の用法はいずれも書き言葉で用います。

 

 話題は若干それますが、親戚の呼称についても面白いと感じることがありました。親戚の呼称と言えば中国語学習初期に「妈妈,爸爸」から始まって、父方の「兄/姉/弟/妹」、母方の「兄/姉/弟/妹」でそれぞれ区別すると教えられて混乱するやつです。

 この親戚の呼称も地方によってバラツキがあるようで、「おじさんはみんな叔叔と呼ぶ」という友人もいれば、しっかり年齢で区別して呼んでるという友人もいました。地方によって表現に違いがあるのは承知していたつもりですが、改めて実感しました。(もしかしたら地域による違いではなくて家庭による違いかもしれません)

「令和」の印象 

 さて、本題の令和から受ける印象についてです。実際中国人から見て「令和」の2文字からどんな印象を受けるか気になったので、友達に聞いてみました。

 

 結論を言ってしまえば「命令という印象は特にない」というのが大方の意見でした。一安心ですね。ただ、「令」の字は「命令」の意味で使う表現の方が多いので、そういう印象を受けるのはしょうがないと言う人もいました。これは日本でも同じですね。アナウンサーも「命令の令」と説明していましたし。

 

 それに加えて、かつて幕末に「令徳」が元号の候補になったことについて教えてくれた方もいました。これは「徳川に命じる」というメッセージが込められてしまうということで老中らの反対があり、実現しなかったそうです。詳しくは「元号 令徳」で検索してみてください。

 

「平成」の方への言及もありました。平成の「平」の字は安定を意味するものですが、この「平」はいわば「(よくも悪くも)何事も起きない」といった感じなのだそうです。対して「和」は「和やか」と読むように、「みんなが楽しい」雰囲気があるそうな。

 

まとめ 

 「令和」について「命令」の印象を受ける人は騒ぎ立てるほどいないようでした。他にも「好听(響きがいいね)」「可爱(カワイイね)」などの好意的な意見が多かったです。まあ「日本人である僕の友達」に直接(非匿名)聞いているのだから、当たり前といえば当たり前ですね笑。

 ちゃんとした手法で調査している訳ではないので統計的有意性は全く無く、「中国人は〜と思ってる」と主語を拡大することもできないので悪しからず。

 

 元号が変わっても僕はまだまだ中国語学習は続けていきます。令和時代がいい時代になりますように!

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。