チンパンジーの知恵袋

中国語を学ぶチンパンジーが面白いと感じたことを綴ります

第12回 中国の休日、中国で休日

<中国の休日>

 今月初頭は日本ではゴールデンウィークでしたね。滅多にない改元+10連休ということで、国全体にお祭りムードすら感じられました。リフレッシュできたせいか、連休後の一週間は心なしかいつもより楽(?)でした。

 では、中国にはゴールデンウィークはないのか?というとそうでもなくて、今年(2019年)の5月1〜4日は劳动节(láodòngjié, 労働節)で、中国でも休日です。特に世界中でメーデーとして有名な5月1日は、中国でも「五一」と呼ばれる一般的な祝日です。この時期はいつもよりも訪日客も多いかもしれません(休日関係なく多い気もしますが…)

 そして、5月5日は日本では「こどもの日」、すなわち端午の節句です。中国でも端午の節句端午节, duānwǔjié )はあるのですが、日本と少し時期が違います。その定義を確認すると"农历五月五号"とのこと。农历(nónglì)とは農暦、すなわち旧暦のこと。勘のいい人はもうわかったかもしれません。

 中国では旧暦も使われているので、日本と約1ヶ月ズレるのです。春節(旧暦正月)と同じですね。どうやら2019年は6月7日のようです。しかし五月五日の端午節、と聞いた時に、「五」の読み方と「午」の読み方が中国語で同じなのは偶然なのか…?というと、昔の人が音を掛けたのではないかとのこと(中国語の先生談)。節句とは「季節の節目」、春から本格的な夏へと変わるこの時期に何か休日があると言うのは日本も中国も同じですね。6月7日だともうかなり夏寄りな気もしますが…

 端午节の時期に有名な習慣としては、ちまき(粽子)を食べるということが挙げられます。

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右側が一般的な中国のちまき

 こちらの写真は一般的に中国で見られる粽(中にもち米と肉、野菜が入っている)ですが、端午の節句の粽はもっと細長くて甘い、日本の粽のようなものなんだそうです。皆さんもおそらく子供の頃からみたことのあるその形。あれを見て思い出すのは小舟ですよね。

 実は、中国の端午節は舟と深い関係があって、龙舟赛 (lóngzhōusài) と呼ばれるボートレースも行われるようです。なぜこのような風習が生まれたのか。諸説あるらしいですが、どうやら古代中国の詩人、屈原が不遇を憂いて自ら川に身を投げ世を去った際に、村人が舟を出して彼を捜し、見つからなかったので彼が魚に食べられぬよう粽を投げ入れたんだとか。

 中国の休日は毎年日程が変わるので少しわかりづらいですが、日本とは違う風習が色々とあるので面白いですね。今度(知識がまとまったら)中国の休日についてもう少し詳しく書こうかと思います。

 

<中国の動物>

 休日について書いていて思ったこと。漫画やアニメで「連休何しよう?」と親子が話し合ってるシーンがありますよね。このとき結構な頻度で小さい子供は「動物園行きたい!!」って言っている気がします。僕はそういう子供ではなかったのですが、確かに軽い気持ちで行けるし、それで子供が喜んでくれるなら親としては無難なチョイスですね。そして動物園にいるランキングで人気ランキングをとったら上位に食い込んでくるのが「パンダ」なのかな、と思います。パンダと言えば中国ですね(無理やり話題をつなげました)。

 中国と言って思い浮かべる動物は?と聞かれると、多くの人がパンダと答えるのではないでしょうか。確かに中国はパンダが有名です。中国語でパンダは「熊猫(xióngmāo)」。熊っぽい見た目の猫、まあわからなくもないという感じ。

 もともとパンダは山間部の竹林に生息する動物で、今となっては野生のパンダに出くわすことは(世界どこであれ)極めて稀です。日本でも、上野動物園のシャンシャンを見るために長蛇の列ができていたり、パンダを飼育しているアドベンチャーワールド和歌山県の一大有名観光地だったりと、すごくプレミア感の強い動物なのかなと思います。

 並ぶのは嫌だし上野動物園はガラス越しに(しかも一瞬)しか見れないし…という方にここで朗報。四川省成都に行けば、誰でも気軽に「たくさんの」パンダを「何時間でも」見ることができるんです!しかも(少なくとも平日は)行列もありません!特にパンダの飼育で有名な成都では、「パンダ繁育研究基地」という名の、パンダ専用動物園的なテーマパークがあります。ここにはジャイアントパンダ(大熊猫)の他にレッサーパンダ(小熊猫)もいて、しかもパンダの赤ちゃんも見ることができるという、なんとも充実したパンダ園です。

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こんなに多くのパンダを一度に見るのは日本だと難しい。

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結構な至近距離。



 最初は「パンダなんて大したことないでしょ…」と口にしていた友人が虜になって、ついには(帰るギリギリまでパンダの前を離れようとせず)また成都に行きたいと言っているので、本物を見ると琴線に触れる(人もいる)んだと思います!成都は交通網が発達しており、空港から地下鉄で1時間ほどでパンダ基地へ行くことができます。しかも学生の人は学生証を見せれば入場料半額です。僕らが行った時も多くの観光客が訪れていました(でも広いので行列は少ない)。

 そして成都には他にも見所が多く、三国志が好きな人には「武侯祠」、漢詩が好きな人には「杜甫草堂」と、幅広いニーズを満たせる街です。そしてもちろん言うまでもなく、四川料理が有名。辛い物好きな人にとっては天国ですね。料理については写真付きのこちらもどうぞ。

kangaeru-chimpanzee.hatenablog.com

 

 今は成都を含め様々な都市への直行便もありますし、中国はかなり行きやすくなっているんだと思います。治安も良いし食事も手頃な値段で楽しめる。そして何より都市も自然もスケールが大きく見応えがある。でもその割に「次の休みは中国に行ってくる!」と言う人はあんまり見ない(特に北京・上海以外の都市について)ので、僕としてはぜひ選択肢に入れてみてほしいな、と思います。様々な都市の魅力も今後発信していけたら、と思うので引き続きどうぞよろしくお願いします。

 最後まで読んでくださりありがとうございます。