チンパンジーの知恵袋

中国語を学ぶチンパンジーが面白いと感じたことを綴ります

中国旅行記1_4 黄山の旅行案内

 前回から間が空いてしまいましたが、旅行記の続きです。前回は、上海から黄山寝台列車で移動したときの話について書きました。今回はついに黄山に登った話です。

kangaeru-chimpanzee.hatenablog.com

  列車が黄山駅に到着したのは朝7時過ぎ。9月でしたが外に出ると少し涼しく、高度の差を感じました。

 さて、駅から黄山の観光地に移動します。実は黄山駅は登山口から離れています。黄山駅や黄山空港から风景区(山の麓)に移動するには車で1時間ほどかかります。駅前にはタクシーの客待ちやバスの案内人がたくさん来ていました。特にタクシーの客引きは四方八方から畳み掛けて来るので、意思表示はきちんとしましょう。

 中国あるあるとして、かなりグイグイ勧誘してきますがこちらがしっかり主張、質問をすれば親切に教えてくれます。今回も、「Taxi?」と寄ってきたおじさんたちに(3回くらい)「バスに乗る!」と言ったところ「それなら乗り場はあっち」と素直(?)に教えてくれました。ちなみにタクシーに乗ることは「打车」 、バスは「公交车」と言いますね。

 バスは乗り合いです。電車の時間に合わせて何台も来ており、満員になったら随時発車。行き先はいくつかあったはずですが、各ホテルに行くような感じではありません。少なくとも、登山口方面に向かうのは1種類でした。終点は黄山风景区のバスターミナル(新国线旅游中心)です。運賃は20元、車内で回収されます。まずは山に登りたい、登山口付近のホテルに泊まっている、という方はとりあえずそのバスに乗ってください。ただし、ホテルがバスターミナルから遠い場合や荷物が多い場合はタクシーも選択肢に入れていいかもしれません。

 ちなみにバスターミナルがある辺りの地区の名前は「汤口(湯口)」で、宿とかがたくさんある街です。とは言っても高層ビルとかはなく、昔ながらの雰囲気が残っています。名前の通り、温泉もあるそうですよ。上海や北京などの大都市にはないゆったりとした空気が流れており、落ち着いた雰囲気です。あたかも日本の温泉街みたいな感じ。昔からここで暮らしてきた人々の暮らしが息づいており、何とも言えないあたたかさを感じる街でした。

 

 バスに乗ること1時間弱で、ようやく湯口にあるバスターミナルに到着です。黄山には「慈光阁」と「云谷寺」という2つのメインの登山口がありますが、2つともこのバスターミナルからバスに乗り替えて向かうことになります。徒歩で登山口まで行くのは山道だし遠いし歩道もないのでお勧めしません。

 僕らはスーツケースを持っていたのでバスターミナルで預けることに。荷物預かり所があるので助かります。荷物を預ける、という単語は「寄存」ですね。

ところが。受付の人曰く、午後5時に窓口が閉まるとのこと。それまでに戻ってこなければいけません。バスの時間も考えて、4時半までに登山口まで戻って来れるのでしょうか…?

 今回僕たちは云谷寺から登山を開始しました。バスターミナルには登山者の列ができているので迷うことはないでしょう。云谷寺まではシャトルバスで20分ほど。20元弱だったような記憶。そして登山口で入山料を払います。春〜秋のシーズン中は、大人200元以上かかります、高い…けど登った時に見られる景色とか爽快感を後から考えると相応の値段な気がします。クレカが使えたような気もしますが、現金の方が確実です。

 ここで学生の皆さんに朗報。僕らは学生料金で半額になりました!100元以上の割引です。かなりお得感があるのでぜひ学生証を持っていきましょう。ついでにチケット購入の際に役立つ単語をいくつか。

售票(チケットを売る)

门票(入場券)

优惠(割引)

身份证(身分証;日本人ならパスポート)

 

 ロープウェイ(索道)があるので最初の登りはそれを利用して時間短縮。その代わり80元の課金。結構長いロープウェイでした。その間も素晴らしい景色が見えていました。どうやって昔の人は登山道を整備したりロープウェイの工事をしたりできたんだろう…とか話していると到着。そして降りて見える景色がこちら。

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 もうすでに綺麗。少なくとも日本で見られるような景色ではありません。岩と松、これぞ中国です(私感)。水墨画に出てきそうですし、古来より仙人とかの伝説(?)が生まれてきたのも納得。しかも涼しくて良い気候です。9月でしたが、歩くには最適。ということで有名な展望台を目指して歩き始めます。ツアー観光客も多く、みんなあちこちで写真を撮っています。

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 途中、ひたすら階段が続きます。時に飽きますが、涼しいのでそこまで苦痛ではありません。綺麗な景色が見えるとまた元気が出ます。驚いたのは、こんなサービスもあるんですね…担ぐ人には尊敬します…

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駕籠です

 この山、道がしっかり整備されているので遭難するような感じではないのですが、たまに看板が不親切なことがあります。実際、僕らの登山中にも何人かの中国人が途中で道を聞いてきました。登山中の会話というのはどこの国でもあるのだなぁと実感したわけなんですが、地図が正確ではなく(簡略化して描かれている)途中の景色は変わりばえのしないところも多いので迷うことも十分あり得ます。暗くなるまでには下山したいですね。もしくは山の上にあるホテルで一泊するのも良いと思います(ご来光が見えたらすごく綺麗なはずです)!ちなみに山の上のホテルはどれも(質、値段ともに)高いです…

 また、所々に売店があってドリンクとか果物(中国らしい!)とか売っています。値段もそこまで高くないのでありがたいのですが、そのためには麓から運んでくる人(中国語で「挑夫」と言うそうです)がいるんです。感謝。

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 さて、見晴らしスポットとか奇岩(飞来石という縦長の岩が崖っぷちにある)とかを堪能して、最後は頂上に登ることにしましょう。下の写真中央の最上部が登山客が登れる頂上です。ちなみにいわゆる「山の頂上」というのは、黄山には「莲花峰」と「天都峰」の2種類があります。そして、どちらかは閉鎖、どちらかは観光客に開放しています。数年ごとに交代しているそうですが、環境保全のためでしょうか。昨年9月時点では天都峰が開放されていました。

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真ん中に見えるのは全部階段。

  頂上に登る必要があるのかという話ですが、見える景色は格別なので体力に自信がある方にはぜひオススメです。階段の傾斜がきつく(途中2本足だとバランスを崩しそうになり、4つ足で登ってました…)体力は奪われますが、何より上から見下ろす景色が素晴らしいですし達成感も並大抵ではありません。

 ただ恐ろしいのはその高さ。ご覧の通り手すり(ロープ)は腰ほどの高さしかなく命綱もなし…頂上付近の通路は幅が非常に狭いのでそこで人とすれ違うときには命の保証はありません…前から人が来るたびに絶望。一応下山用に別の道があるのですが、通った道を戻ってくる人もいて…写真撮るときも恐る恐るです。

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下は断崖絶壁…

ただもう一度言いますが、景色は素晴らしいです。頂上ではみんなホッとした顔で写真を撮っていました。

 下山は膝が疲れますが、ある程度余裕を持って景色を見れました。何気ない道でも結構面白いです。少なくともこんな道を今まで歩いたことはありません。

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 通るのもやっとな階段とか、

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ジオラマみたいな風景とか。

 途中急ぎ足になりながらも(結構走りました)無事4時半前に下山し、シャトルバス(満員になったら出発)で5時までにバスセンターに戻ってこれました!ということで、体力に自身がある人なら朝駅についてその日のうちに黄山を出発する弾丸旅行もできることがわかりました(笑)。

 まあおすすめは山の上もしくは麓に一泊以上することですね。湯口の街は人が優しく物価も安く、非常に居心地の良い場所でしたのでぜひ訪れてみてください。

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湯口の街並み

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静かな夜

これで黄山旅行記はひとまず終了です。

 

 長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。今日で2018年度も最後ですね。来年度も引き続き様々な情報、小話をお届けしきつつ中国語を学んでいけたらと思います。それではまた次回お会いしましょう。