チンパンジーの知恵袋

中国語を学ぶチンパンジーが面白いと感じたことを綴ります

中国旅行記1_3 寝台列車で黄山へ

 もう年末ですね。年末年始には実家に帰省する、という方も多いかもしれません。そのときには飛行機や鉄道、バスなど色々な手段がありますが、皆さんは寝台列車を利用したことがありますか?日本だともはや過去の乗り物というイメージが強いかもしれませんね。しかし中国ではメジャーな移動手段のうちの一つです。高速鉄道以外の鉄道には寝台車がついており、一日以上かけて別の都市へ移動、ということも珍しくないようです。国土が広いので鉄道のスケールも大きいですね。今回は旅行記の一節として、そんな「寝台列車」についてのあれこれです。

高速鉄道や国内線フライトについては前回こちらに書いています。

kangaeru-chimpanzee.hatenablog.com

 

さて、まずは基本情報から。

座席は「软卧、硬卧、硬座、无座」の四種類。順に直訳すると「柔らかいベッド、硬いベッド、硬い椅子、席なし」です。

 软卧は個室に2段ベッドが2つ、最大4人1部屋です。路線によっては1人1部屋の"高级软卧"もあるそうです。個室なので電気も消せるし布団も柔らかい、その割に安い(少なくともホテル+新幹線よりは)ので、観光客向けかもしれません。

 硬卧では、3段ベッドがずらっと並んでいます。仕切りはなく、場所やタイミングによって当たり外れがあるとか…?(騒がしいと眠れないかもしれませんね)

 硬座は普通の椅子、短距離なら良いですが夜眠るのは難しそうです…そして无座は空いてる席に座れる、とのことですが特に旅行者は利用しないと思います。

 

 硬座に乗って2時間くらい移動した時の経験についてはこちらに詳しく書いてありますが、良くも悪くも中国感のあふれる車内でした。これだと少なくとも僕はあんまり眠れないですね…

primaspa.hatenablog.com

 

 それでは実際に利用した体験を書いていきます。今回(2018年9月)は友人と二人、软卧の券を予約しました。区間は、上海〜黄山です。20時過ぎに上海を出て翌朝7時頃に黄山に到着します。黄山はバス、鉄道、飛行機で行けますが、到着時間や移動時間を考えるとアクセスがあまり良くない観光地だと思います。今回行ってみた感じからすると、前泊する暇がなくて朝から動き回りたい人(学生とか)は夜行列車で行くのが一番良い気がします。

 事前に買った切符を駅で発券してもらい、待合スペースへ。空港のような感じでベンチがたくさん並んでいるのでそこで電車が来るまで待ちます。

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待合スペースで電車を待ちます。

 到着したらホームに降りて乗車です。初めての寝台列車。眠れるのでしょうか…うるさくないでしょうか…不安が半分、期待が半分。

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软卧の客車。乗るときに検札があります。

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検札を受けると乗車券が回収されます。そしてこのプレートを渡されます。降りる駅が近づいたら車掌さんが再び切符と交換してくれる、ということは駅に着く前に知らせてくれるんですね。乗り過ごし防止になります。確かに中国の鉄道だと、一旦ホームにおりて反対方面の電車に乗る、ということは不可能なのでこのシステムが必要かもしれません…

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软卧は4人一部屋の個室です。廊下にも簡易椅子とコンセントが。

 通話のために廊下に出ている人が多かったですね。通路はあいにく今回の列車では廊下のコンセントは(壊れていて?)使えませんでした…洗面台やトイレも一両ごとにブースがあります。顔を洗ったり歯を磨いたりできました(水圧は弱かったですが)。トイレもそこまで汚くない(海外基準)、というか鼻をつく臭いはなかったので十分及第点。シャワーはありません、これは仕方ない。

 ちなみに、こういう列車だと給湯、給水器がついています。水筒に入れる人、そのまま飲む人など色々いますが、結構多いのはカップラーメンにお湯を注ぐ人。確かに車窓から風景を眺めながらのんびり麺をすする、というのは旅情があるかもしれません。

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软卧のベッド。部屋の電気も消せるし快適!

こちらが今回のお部屋。僕らはオーストラリアから来たカップルと同じ部屋でした。彼らも黄山に登るとのこと。こういう出会いがあるのも良いですね。部屋の中についてですが、ベッドは足を普通に伸ばせるくらいのサイズ、枕元には読書灯も。部屋の電気も好きなタイミングで消せるので快適です。実際ベッドも柔らかくて寝心地がよく、朝までぐっすりでした。今回は2人だったので相席みたいな感じでしたが、例えば4人で旅行する際とか、部屋を丸ごと使えればより快適かもしれません。トランプをするなり語り明かすなり、すごく楽しい思い出になるのではないでしょうか!

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食堂車

食堂車もあります。現地価格よりは割高でしょうが、長距離乗るときには良いかもしれません。ただ、車内販売がある(弁当だの果物だの、車内を色々まわってくる)のであまり使う人もいないかもしれませんね。

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硬卧はこんな感じ。

 硬卧です。仕切りがないので話し声は(软卧に比べて)聞こえますね、深夜は静かになるのでしょうが。あと、3段ベッドだと上の人とかはスペースが狭いかもしれません。ただこれなら眠れそうかな、という感じではあります。

 朝起きると洗面所は結構人の動きが慌ただしかったです。顔を洗う人、歯を磨く人…準備をして部屋に戻ると車掌さんが来ました。乗車票と切符を再度交換です。そして列車は時間通り黄山へ。ぐっすり眠れたこともあり、先の旅路に期待が高まります!初めて体験した寝台列車ですが、予想以上に快適でした。十分オススメできるクオリティです。

 

こうして到着した黄山は絶景を味わえる素晴らしい場所でした。その風景や食事については次回の旅行記で取り上げることとします。

 

さて、今回はここまで。来年もまた面白い話題や耳寄りな情報をお届けしたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。

希望明年是美好的一年,再见!