第7回 普通话&臺灣國語
先日ちょっとした縁があって台湾に行く機会をもらえたのですが、その時の話。台湾に行ったことのなかった僕は、台湾で話される言葉についてよく知らず、まあ南方だし上海と同じような感じだろう、くらいの認識でした。しかし着いてびっくり、全然違ったのです。
まず大きな違いは、有名かもしれませんが簡体字と繁体字。中国では簡体字(简体字)が使われていますが、台湾ではほぼ全ての文字が繁体字で書かれています。いくつか比較してみます。
(长, 長) (业, 業) (个, 個) (汇, 彙)
これを見ると繁体字の方が日本語に近い気がしますね。でもそう簡単ではありません。
(医, 醫) (会, 會) (体, 體) (党, 黨)
日本語の旧字で見覚えがあるものもありますが、体とか初見では読めません…
さらに
(听, 聽) (专, 專) (团, 團) (图, 圖)
簡≠日≠繁のものなど、様々です…
そして本題、話し言葉。まず、基礎知識として行っておかなければいけないのが、台湾では様々な言語があるということ。いわゆる中国の普通话的な位置付けのもの(標準語)は國語(国語)と呼ばれています。定義的には「標準中国語の地域的変種」(Wikiによる)とのことですが、これは諸説ありそうな気がします。
区別したいのが台湾語。これは閩南語とも呼ばれるもので福建省など中国南方でも使われる方言です。これは声調も音も違うので、普通の中国語を勉強した人が聞いてもわからないと思います。ただ多くの台湾人は一応わかるとのこと(日常的に使う人は若い人だと少ない印象)。その他にも客家語など多くの言語が存在しています。ちなみに台北のMRTに乗った時には標準語、台湾語、客家語、英語の4言語アナウンスが聞けました。
さて、ここでは台湾国語の話をします。僕のリスニング能力の乏しさも大きな理由ながら、思っていた以上に聞き取れませんでした。なぜでしょう。
ここでは2つ理由を挙げたいと思います(僕が感じたことと、台湾人に聞いたこと)。
1. 使う語彙の違い
結構違いました。 実際に自分が聞いたところでは、
蠻(mán)
これは中国語の「很」(hěn)と同じです。形容詞には很が付く!っていう認識で聞いてると、蠻好とか蠻快って言われても??ってなります(なりました)。
講(jiǎng)
これは中国語にもありますが、「说」の意味で頻繁に使われていました。
ex.) 我會講中文(私は中国語を話せます)
〜日文怎麼講?(〜って日本語で何て言うの?)
あと、調べてみると単語レベルで結構違いがあるようです。
(日本語、中国語、台湾国語)の順でいくつか紹介すると、
(パンダ、熊猫、貓熊 )語順が逆ですね…
(ヨーグルト、酸奶、優格)台湾のはyōugéなので英語読みに近いです。
(白ワイン、白葡萄酒、白酒)中国で白酒って言うとアルコール50%のヤバいやつです…
この他にもたくさんあります。ぜひご自身でも調べてみてください。
2. 話し方の違い
まずよく言われるのは、台湾では巻き舌音(er)がないということ。特に中国北方では聊天儿、一点儿、事儿など単語の後ろに「儿」をつけることが多い(er化)ですが、台湾ではまず聞きませんでした。むしろ一點點(一点点)など、言葉を重ねて表現することの方が多いです。あと、その関係でzh, ch, shの音もz, c, sに近い人が多いです(これに関しては個人差が大きいですが)。
次に思ったのはnとngの区別が比較的少ないということ。これは中国南方でも結構そういう感じですが、台湾でもそのような印象を受けました。
あと、台湾の話し方は抑揚が少ない(単語と単語の切れ目がわかりづらい…)気がしたので尋ねてみると、逆に中国人の発音は怒ってるように聞こえる、とのこと。ここにも違いがあります。ただ抑揚が少ないというのは慣れるとむしろ日本人向きなのかもしれません(日本語は抑揚が少ないので)。
他にも調べてみるとたくさん出てきますが、納得したものをあと一つだけ。
軽声が少ない!これは言われてみればその通りでした。台湾人の友達は僕と中国語で話す時には比較的ゆっくり話してくれていたと思うんですが、それでも何か違和感を感じたんです。例えばこの単語。
東西(dōngxi)
文字通り読むとdōngxī(一声+一声)ですが、軽声を習う僕らからすると、普通は最後のxiの音は軽く読みます。聞いていてxīまでしっかり発音されると逆に違和感がありました。まあこの辺はたくさん聞いて話すうちに慣れるのでしょうね。
というわけで普通话と臺灣國語(台湾国語)の違いについて一部紹介したのですが、意外と比較してみると違いが多くて新たな発見もありました。長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。