ハイテクの街、深圳の歴史(旅行記1)
久々の更新になります。今年の8月。今年の夏休みは3日+土日のトータル5日間。どう使おうかと考えていましたが、遠くに行くには時間が短いので、近場の中国に行くことにしました。本来は香港に行きたかったのですが、もう少し情勢が落ち着くまで待とうかと思い、深圳に決めました。物価も安いし、発展しつつある街に興味があったので、ちょうどいい機会となりました。それに加えて涼しいところにも行きたかったので、雲南省の昆明にも立ち寄ることに。結果的に弾丸旅行っぽくなってしまったのですが、2つの街を訪れた感想をご紹介したいと思います。
今回は、ソウル経由で深圳に着弾。深圳に降り立つのは実は2回目なのですが、空港は相変わらず壮大ですね。北京の新空港(大兴机场)はザハ氏の建築として有名ですが、深圳空港も幾何学模様をモチーフにした近未来的な雰囲気があります。
空港には地下鉄が乗り入れており、非常に便利なのですが、空港から地下鉄の駅に行くには、エレベータしか方法がない(少なくとも僕はエスカレータを見つけられませんでした)少々面倒。改札口には、国内旅行者と思しき多数の中国人。その中の一人が「どうやって券買ったらいいの?〇〇行くんだけど」と中国語で聞いてきました。僕が中国人に見えるのか、東洋人には一旦中国語で話しかけてみるのか分かりませんが、中国ではこういうことがよくあります。この距離感であらためて、中国に来たなぁと実感。僕は警戒心が強い方なので、答えつつも毎回、その隙に誰かリュックを漁ってるんじゃないか、とか邪推してしまうんですが、中国ではまずそういったことはありませんね。
同時に考えることですが、券売機の使い方を尋ねてくる彼らは、地下鉄が通っていない都市から旅行に来たのでしょうか。僕はこれまで、いわゆる観光地ではない中国の田舎にはあまり行ったことがないのですが、格差はいかばかりなのでしょう。外国人目線でどこまで「現実」に触れられるかは分かりませんが、次は田舎に行ってみたいものです。
さて、地下鉄に乗車。中国の地下鉄はどこも似てますね。途中景色がいいところもありましたが、40分ほどで中心部に到着です。宿の近くはこんな感じの風景でした。
ホテルの横の区画が現在進行形で建設中でしたが、僕の想像する深圳のイメージと合致していました。(通行していいのか迷うレベルで)剥き出しの工事現場、そして広告は、政府系のスローガン。これは他の国との大きな違いですね。こういう所で民間企業の広告はあまり見たことがありません。
深圳の観光地というと、ガイドブックには世界之窗(中国版、東武ワールドスクエア)が載っていますが、僕が行ってみたかったのは深圳博物館。地図を頼りに行ってみたのですが、到着すると謎の建物が。
写真の建物、最初は国際展示場か何かかと思っていたのですが、どうやらこの中に博物館が入っているようです。オフィスや銀行も入っているようでしたが、空きテナントも多く、実際にどのように使われているか分かりませんでした。。このように大きなハコモノを造るのが中国の特色という気がします。
博物館の展示は、常設展示と特別展に分かれていました。特別展としては、色々な生物の骨格標本が飾られていました。僕が見たかったのは常設である、古代〜現代の深圳。元々は小さな漁村だった深圳が、どうやって発展を遂げてきたかというのがテーマとなっており、これこそが中国型の発展形態を表しているのではないか、と思って興味を持ってました。
ストーリー性がある展示は面白いですね。人々の暮らしぶりが伝わってきます。批判的な見方をすると、こうやって「歴史が作られる」のかなぁとか考えてました。
学者でもない限り、こうやって展示された古代のストーリーを疑う理由もありません。仔細まで作り込んだ展示を人々に見せることは、(どこの国にも言えることですが)改変した歴史を信じ込ませる上で非常に有用かもしれないですね。良し悪しではなく、後世の人々が歴史を語る際には、当時の真実と異なる内容が含まれている、または新たなコンテキストが加筆されている可能性があるということを感じました。
(こんなことを偉そうに書いてますが、博物館内で僕はひたすら展示に見入ってました笑)
近代の深圳。南京の博物館に行ったときも感じましたが、当時の暮らしを体験できるような企画は面白いです。歴史の本を読むことはなかなかハードルが高いですが、こういう展示を無料で見られるのはいいですね。
第二次大戦〜国共内戦〜改革開放といった流れは、中国のどの都市の博物館に行っても見られるものですが、特に深圳は鄧小平とゆかりがあるようで。現在ハイテクの街と呼ばれる深圳が、どのように発展してきたのか、政治がどう関係していたのかを知るいい機会となりました。願わくば(政策を議論するようなメンツで)もう一回訪れたい。
その後、電子街として知られる华强北(華強北)へ。ここには、携帯や電気製品を売る小規模な店が集まっています。東京だと秋葉原のような場所ですが、規模が違います。Huawei, Lenovo, 小米など、所狭しと店が並んでいます。
通りを挟んで反対側は、一層ごちゃっとした感じ。名も無いブランドの、携帯やスピーカー、ドローンまでなんでも売っています。電子製品について中国語でやりとりできる自身もないので、写真を取りながら見て回ることに。元々は何もないテナントに、個人商店が乱立していったのでしょう。質の程は分かりませんが、品揃えは圧巻です。完成品だけでなく、コードや基盤など、業者向けのような製品も多く売っていました。詳しい人と来ればもっと楽しいのかもしれません。
携帯修理屋も多く、店頭で職人のような人が細かい作業をしてました。技術を持った人たちが各地から集まってきているのでしょうが、深圳では彼らをサポートするような施策が取られているのでしょうか、興味があります。
夜景も見事なものです。好きな人は一日費やせるくらいの場所だと思います。 ちなみに、僕は华强北の通り沿いにある両替商で人民元に換金した(最初勧誘がしつこかったのでかなり警戒してました)のですが、かなりいいレートで手数料もありませんでした。街角の両替商、というとぼったくりのイメージですが、見かけじゃわからないものですね。。
夜はセルフで選ぶ定食屋で食べましたが、学食のような感じで値段的にもかなり満足。職場の近くにこういう店があればいいのに、、
ということで、深圳はちょっと暑かったですが、一人旅でも十分満足できる都市でした!もう少し時間があれば、郊外の山とかに足を運ぶのもいいですね。
僕はこの後昆明に行ったのですが、それについては次回書きたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。