第3回 外来語
最近中国語を勉強していて「剑桥」という単語に出会いました。最初は何かしらの橋の名前かなと思って読み進めていたのですが、意味が通じなくなってきました。もしかして固有名詞か?と思って調べてみると、なんと「ケンブリッジ」でした。いい感じに当てたものだなあと感心。「牛顿(ニュートン)」や「安德森(アンデルセン)」なども出てきて面白かったです。
ということで今回は外来語の表記についてです。日本語のひらがな及びカタカナは表音文字であり、「アメリカ」や「ドナルド・トランプ」などと英語の音をカタカナで表記することができます。では、全て漢字を使う中国語ではどのようにしているのでしょうか。
中国語で「アメリカ」は「美国」と表記します。日本語の「米国」に近いですね。また、「ドナルド・トランプ」は「唐納德 ・特朗普or川普」と表記します。字だけ見ても何が何だかという感じですが発音は「táng nà dé・tè lǎng pǔ / chūan pǔ」となっており、音に字を当てていることがわかります。
このように中国語で外来語を表記する場合は音をもとに訳す場合(音訳)と意味をもとに訳す場合(意訳)があります。人名などはおもに前者です。また、音訳に関してはそれぞれの音にほぼ決まった感じが使われます。トランプ大統領のような人名や新語は新华社通信の表記に合わせるのが一般的だそうです。
音訳と意訳を組み合わせる場合もあります。「新西兰(xin xi lan)」はニュージーランドを表しますが、「新」は意訳、「西兰」は音訳です。
参考:
国名
- アメリカ:美国(měigúo)
- イギリス:英国(yīnggúo)
- フランス:法国(fǎgúo)
- ドイツ:德国(dégúo)
日本の米、仏、独などとは違いますね。また、英語、仏語、独語を表す中国語はそれぞれ英语,法语,德语となっています。
多くの国名は音訳による表記です。アイスランドはなんとなくわかりますが、ポルトガルはなかなかおもいつかないですね。
こちらのサイトに193ヵ国の国名および首都の中国語表記がまとめられています。興味のあるかたは是非覚えてみてくださいね!
人名
- バラク・オバマ:贝拉克・奥巴马(bei la ke・ao ba ma)
- ヒラリー・クリントン:希拉里・克林顿(xi la li・ke lin dun)
- スティーブ・ジョブズ:史蒂夫・乔布斯(shi ding bu ・qia bu si)
- ビル・ゲイツ:比尔・盖茨(bi er・gai ci)
人名はどれも音を当てていて読み方を知らないと推測するのは難しそうですね。英語の「-ao-」が「奥」、「ma」が「马」という当て方はよく使われるなど一定の法則はあるのがうかがえます。
その他
- アップル(企業):苹果·(pínggǔo)
- コカ・コーラ:可口可乐(kěkǒu kělè)
- レッドブル:红牛(hóngníu)
- カフェラテ:拿铁咖啡(nátǐe kāfēi)
- トランスフォーマー:变形金刚(bìangxíng jīngāng)
果物のリンゴは苹果と書くのですがアップルにもそのまま使っています。レッドブルやトランスフォーマーなどは音ではなく意味から漢字が当てられています。そして有名かつ個人的に一番好きに一番好きなのが「可口 可乐」です。「可口」は中国語で「おいしい・口当たりがよい」などの意味があります。「乐」も「楽」の簡体字であり、飲料メーカーの名前にピッタリですね。音もあっていて見事だと思います。
まとめ
中国語の本などを読んでいて、個人的に一番やっかいなのは当て字です。人名や地名だとすぐにわかる場合はよいのですが、「剑桥」などのように普通名詞のように見えるケースは見抜くのが大変です。
意味をもとにした当て字には面白いものが多いのでもし中国に旅行することがあれば看板などに着目してみてください。最後まで読んでくださりありがとうございます。